2022-01-01から1年間の記事一覧

何が好きかで自分を語れよ

って言われてもさ、それって実はけっこう難しいですよね。 何かを「好き・嫌い」「みんな好き・みんな嫌い」の2軸で分類しましょう。シャノンに従って情報量とはびっくり度であるとすると、「みんな好きで、自分も好き」というのは情報量が少ないです。たと…

ダブル・シンク

「罪と罰」を読み終えました。 けっこうおもしろいですね。キャラクターの魅力は「カラマーゾフの兄弟」と甲乙付けがたいところですが、お話の緊張感はこちらの方が上ですね。ドゥーニャとラズミーヒンが安定しているのも良いです。「カラマーゾフ」の主要登…

なんか書くぞ

12月は25日まで毎日ブログを書こうと思っていたんだけど今日は気付いたらあと8分しかなくてピンチ。 サッカーを見ました。うちはサッカー素人で、どれくらいサッカー素人かというと「PKだって。PKってみんなでジャンプするやつだよね」と話していたんですが…

ウィーン室内管弦楽団@武蔵野市民文化会館

行きました。 シューベルト: イタリア風序曲 ベートーヴェン: ヴァイオリン協奏曲 ベートーヴェン: 交響曲第7番『のだめ』 指揮と独奏はライナー・キュッヒルです。 ベートーヴェンの協奏曲なんですけど、ライナー・キュッヒルは72歳ということで、まあ、そ…

ワクチン4回目

ワクチン4回目を打ちました。ばっちり発熱でした。インフルエンザの夜と似ていますね。何か大きな問題を何とかして片付けなければならないという夢を連続して見るけれど、起きて冷静になってみればそもそも何が問題なのかが全然理解できないやつ。 データに…

再評価

突然ですが、これまではそれほど良く思っていなかったけれど実は意外と悪くないぞ、と思っているものを列挙していきます。 鮭。食材としての鮭です。魚としてはもっともベーシックな存在で、価格は控えめで登場頻度も高く、なんとなく格下の存在と思っていま…

すずめの戸締まり

見ました。映画の日で1000円だったから混むかなと思ったんですけど、新宿ピカデリーの最終回で席は1割も埋まっていないかなという感じでした。 結論だけ書くと not for me です。 ネタバレには配慮せず、見た人に向けて書きます。 まず、主張が曖昧というか…

罪と罰

最近「罪と罰」と「デスノート」を並行して読んでいます。まったく偶然なんですけど、これらってほとんど同じ話ですよね。どちらも、自分が正しいと信じて罪を犯すものの、正しさはすぐにどこかに行ってしまって「こいつは… 気付いているのか??」と駆け引き…

「人生うまくやろう」なんて利口ぶった考えをタローマンは許さない。

僕はね、話がつまらないんです。 『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』は岡本太郎の展覧会のプロモーション用に制作された映像作品であり、岡本太郎の作品や言葉を元にしたドラマが展開される。NHKが制作したものだが YouTube でも無料で見ることができる。 youtu…

東京日記

川上弘美の「東京日記 (1+2)」を読みました。小説ではなく、日記ブログを書籍化したようなものです。 川上弘美はけっこう好きな作家なんですけど、この「東京日記」はちょっと危ないかなと思っていたんですよね。東京生まれ東京育ちの人なので、東京人間の自…

技術大好き!

と思えないところが僕の大きな弱点のひとつなんじゃないか、と最近よく思っています。 価値を生むことへのスマートなアプローチは、解くべき問題を的確に探し出し、それを解く方法を的確に見定めて、そして解くことである、とよく言われています。「イシュー…

エヴァンゲリオンとしてのパリピ孔明

予め申し上げておきますと、パリピ孔明はエヴァンゲリオンではないです。 以前、「エヴァンゲリオンとしてのゆるキャン△」という記事を書きました。 parosky.hatenablog.com この記事では、ゆるキャン△の中心的なメッセージは個人の多様なあり方を受け入れる…

僕の知的生産術 (5) 自己プログラミング

自分自身のための知的生産の方法を確立する。そのために、まずは知的生産の基本的なテーマと技法を理解する。 そういう動機で「知的生産の技術」を読み返し、次いで「エンジニアの知的生産術」に取り掛かっているわけですが…。これはもっと早く気付いても良…

ルイ・ロルティのショパンの残り

ルイ・ロルティの弾くショパン集の第7巻がもうすぐ出るそうです。 この人はラヴェルの独奏曲が良いという評判を聞いて知ったのですが、他にショパンのエチュードやベートーヴェンのソナタも評判が良いようです。テクニックが安定していて音が綺麗なんですよ…

僕の知的生産術 (4) 「知的生産の技術」第6-11章

「知的生産の技術」の後半では読み書きを取り上げている。国民全員がプログラミングを学ぶ時代が来ると予言するなど1969年に出版されたとは思えない慧眼を見せつける本書だが、後半ではやや勢いが落ち、漢字はタイプライターで入力できないので日本語から漢…

僕の知的生産術 (3) 「知的生産の技術」第1,4,5章

知的生産すなわち「人間の知的活動が、なにかあたらしい情報の生産にむけられているような場合」について、前回の記事ではそのプロセスを4つに分解した。しかしこの分解にはまだあまり納得できておらず、もっとよい構造付けや表現がありそうだと疑っている。…

僕の知的生産術 (1)

こんにちは。僕は知的生産の仕事をしています。 「知的生産」とは「知的生産の技術」(梅棹忠夫、1969年)で提案された言葉で 人間の知的活動が、なにかあたらしい情報の生産にむけられているような場合 を指します。著者は研究者なので「あたらしい情報の生…

僕の知的生産術 (2) 「知的生産の技術」第2,3章

この記事は自分なりの知的生産の方法を確立してゆこうという試みの第2弾で、まずは「知的生産の技術」に書かれていることをきちんと吸収しようとしているのですが、第1弾はまだ書いていません。イントロダクションが一番難しいからね。 この記事は後に考えを…

ディズニーランドのミッキーは毎週池に突き落とされている

修学旅行の行き先が東京のとき、かなり多くの学校に「先輩がディズニーランドでミッキーを池に突き落とした(のでディズニーランドは出禁になった)」という噂があるといわれています。実際、僕の通っていた中学校にも同じ話がありました。 この噂があるとき…

エーアイの原罪

統計学の大御所ロナルド・フィッシャーは優生学に傾倒していたとされている。周知のように、優生学は倫理的に大きな問題がある。彼の関与したアヤメの品種についてのデータセットは機械学習向けに現在でも広く用いられているが、今や使い続けるのは不適切な…

エラそうな自分に喝

東京大学の入学試験に合格したときに、祖父はまず「東大に入ったからといって偉いと思うな。大事なのは人間として正しくあることだ」と言った。 僕が生まれたとき、名前にちょっといい漢字を使うという案もあったらしい。しかしそれは、「そんな立派な漢字を…

エヴァンゲリオンとしてのゆるキャン△

ツイッターに流れている情報によれば、多くの人がシン・ウルトラマンにエヴァンゲリオンを見出しているようだ。一方で、そのような考察は妥当ではないという批判もある。シン・ウルトラマンを観ていないこともあり、その是非は僕にはよくわからない。 エヴァ…

はじめに新鮮な水を汲みます

けっこうガチな店で紅茶を買ったんですけど、淹れ方の説明書が「はじめに新鮮な水を汲み」から始まっていて読者が南アルプスにいることをナチュラルに仮定しているんですよね— ぱろすけ (@parosky0) 2022年5月14日 こちらの紅茶に関するツイートがややバズり…

技術的盆栽

技術的負債 (technical debt) は、ソフトウェア開発の用語で、手早い解決策を選択することで生じた潜在的な手直しのコストを指す。技術的盆栽 (technical bonsai) は、完成した技術を鑑賞し、また完成度の向上のために手直しを加える趣味を指す。技術的負債…

スペック勝負

大学の研究室の指導教員氏は、「ベンチマークが確立されているようなタスクには取り組まない方がいい」と言っていた。何年も前のことだから言い回しは全然違うかもしれない。いや、そもそもこんなことは一言も言っていないかもしれない。実在の人物の発言を…

自由視点昆虫図鑑

雑誌 BRUTUS の特集「珍奇昆虫」を読んだ。半分くらいが昆虫標本の話である。 昆虫標本のコレクションはかなりグロテスクな存在だ。昆虫そのものがグロテスクと言いたいわけではなく、死体を収集して整然と並べ、それを眺めて楽しむということにグロテスクさ…

コンピュータグラフィクスの教科書

コンピュータグラフィクスに詳しくなりたいという気持ちがずっとあるが、これまであまり取り組んでこなかった。具体的にやりたい何かがあるわけではなく、むしろ何ができるのかを探りたいので、基礎から体系的に学べると嬉しい。ということで教科書をきちん…