突然ですが、これまではそれほど良く思っていなかったけれど実は意外と悪くないぞ、と思っているものを列挙していきます。
鮭。食材としての鮭です。魚としてはもっともベーシックな存在で、価格は控えめで登場頻度も高く、なんとなく格下の存在と思っていました。たとえば定食屋で「本日の焼き魚定食は、鮭です」と言われたら、うーんそれなら別にいいや… と思ってしまいがちではないですか? でも洋食のコース料理で鮭が恭しく登場するのを神妙な顔で食べてみると普通に美味しいし、DEAN & DELUCA の鮭のパイ包み焼きも美味しいし、それならと適当な鮭定食を食べてみても美味しいですよね。ベーシックなものにはベーシックであるだけの理由があるなと最近は思っています。
星の王子さま。これはですね、今年読んだ本で一番良いです。それで「夜間飛行」も買いました。
子供の頃に読んで全然おもしろくなかった「星の王子さま」を読み返したら圧倒的傑作でびっくりしてしまった。(1) そもそも子供向けではない (2) 感傷的すぎる、という壁がありますね
— ぱろすけ (@parosky0) 2022年10月20日
子供向けという体で書かれてはいるけれど、前半の変な大人の話も、後半の絆を結ぶ話も、実際に自分が変な大人になったりいろいろな絆を結ぶ経験をしたりしないとよくわからないですよね
— ぱろすけ (@parosky0) 2022年10月20日
最初からずっとナイーブでセンチメンタルなムードに支配されていて、なんだこいつはという印象になりがち。これは「人間の土地」を先に読んだのが良かったですね。実際に砂漠の真ん中に不時着したときの気持ちが書かれていて、それを踏まえるとそのムードにも違和感なく入ることができる
— ぱろすけ (@parosky0) 2022年10月20日
- ヨハン・シュトラウスの「こうもり」序曲。ヨハン・シュトラウスなんて全部古くさい退屈なポップスだと思っていたんですけど、この曲、近所の駅のショッピング施設で年末になると流れるんですよね。この、愉快でちょっと古い音楽って、そういうところに良く合うなと思って。どうであれ今年ももう終わり、そうなると愉快に終わりたいですもんね。この曲は気楽なメロディーの詰め合わせで、世界の真理に迫る深遠な音楽という雰囲気は一切ないけれど我々がそんなものを求める必要性って全然ないし、もうそれでいいじゃないですか。そう思うと本当に完成度が高い作品だと思います。カルロス・クライバー、YouTube に上がっている映像は音がやや良くないですが Spotify に良いものがあります。
何であれ楽しめないより楽しめる方が良いですよね。どんどん再発見していきたいものです。